クマー死す!下

tenjinyama2006-02-14

魔都 裏堺

空気が澱んでいる
辺りにうろつく野犬を立花ろおらが蹴っている
うろつく南蛮の男達の徒党
こちらに気づいて何やら話し合っている
党首らしき男が近寄って来た
「オマエ、ソノヘルムヨコセ、オンナハオイテイケ」
男達が後ろでニヤニヤとしている
「だってよ、どうする?」ローラに尋ねる
「ファック!チンポ切り取って口に詰め込んでやる!」ローラが悪態をついて分身した
後ろの男達4人が一瞬で倒れる
「オボエテロ!」党首らしき男は逃げ出した
「いや、逃がせ」ローラが追跡しようとするのを制止する

数分後、先程の男が10人程引き連れて戻ってきた
鉄砲を持った男が一人
「お前、その鉄砲よこせ、それとケツだせ」
ローラに合図する、次々と敵を倒していくローラ
銃を奪った
「後ろ向いてケツだせ」銃を向け脅す
「フザケルナホモ野郎!」
火縄に火種を点火した
「失礼なやつだな、俺は男も女も好きだ」
打出二枚胴具足の股間から息子を取り出す
「ワカッタ、ナンデモスル、ソレダケハヤメテ!」泣きながら懇願する男
「女連れの忍者がここに来たはずだが知らないか?」−−−クマーと蘭
「ソコノヤドニイル、オレタチタダノミハリ、ナニモシテナイ」
蹴り倒しケツに銃を向けた
「ヤメテ!ヤメテ!」
ケツにあてた銃に力を込めると男は白目を剥いて気絶した
「その粗末で汚いのを仕舞えファック野郎!」ローラがうるさい
鉄砲を脇に抱え、ローラの言う粗末なのを仕舞おうとする、少し悲しい
「火!火!」ローラがあわてている
「あ、、、、」発砲音が響き弾丸はローラの脇をかすめた
それを合図にしたかのようにクマーが蘭を背負い脱出するのが見えた
凄まじい速さで屋根に飛び移り逃げるクマー
長屋を屋根から屋根へと去っていく
その屋根の先、そこに奴はいた
「しまった!急げ!」



外が騒がしい

「蘭殿、ここはもう」
「うん」
発砲音が響き何かが壊れる音がした
蘭を背負い窓から脱出、壁を蹴り隣の長屋の屋根へ
屋根から屋根へ飛び移る
視線の先−−−くの一
「七瀬蒼亞・・・・」 
忍相手に蘭を背負い逃げるのは不可能、自分が一番よく知っていた
「蘭殿、しばし待たれよ」蘭を背中から下ろし身構える
「抜け忍には、死の掟」蒼亞が呟き4体に分身
クマは手裏剣を乱射
4体すべてに命中、分身が消える
しかし更に4体の分身が襲い掛かる
「バカな!分身8つ身?!」
攻撃がクマの忍兜を弾き飛ばし素顔を晒した、誰にも晒した事の無い素顔、蘭にさえ・・・
再び4体に分身する蒼亞、残る手裏剣は一発のみ、次は首をとられる・・・
襲い掛かる蒼亞「四身殺法!」
その刹那、眼前に踊りだした黒い影四つ
4人のくの一が4人のくの一の攻撃を受け双方弾け飛び屋根瓦に打ちつけられる
相討ちか?!否、更に4体の分身
絶体絶命の危機


そこへ思わぬ救援
「アイムヒアー!鍛冶屋仮面ブラック参上!」
現れたのは・・・・変体!股間に粗末の物をぶら下げ、顔は妙な仮面の兜
変体の銃が襲い掛かる分身の一つを打ち抜く
クマの手裏剣、さらに一つ分身を消す
変態仮面!」ローラが変体へ小刀をトスした
「難攻不落!」小刀がぶつかりあい火花が飛び散り分身が消えた
残る一体、本体がクマを襲う
「クマちゃん!」ローラから小刀を奪い蘭が闘志の守護
「蘭殿!」クマーの声

「娘、何故そこまでしてその男を」と、くの一が鍔迫り合いの体勢のまま問う
「恋してるから!」蘭に迷いは無い

「恋か・・・」覆面の下の顔が笑ったような気がした
「抜け忍!月影クマキチ、貴様は今ここで死んだ」そういい残すとくの一はクマの忍兜を拾い上げ闇に消えた。

「ありがとう、くの一さん、それと、えーと変体仮面さん?」蘭の笑顔
「鍛冶屋仮面ブラックだ!!犯すぞ!」くの一と変態は鉄砲を残し去っていった。



「クマちゃん、顔を上げて・・・」
「拙者、星野クマキチにござる」顔を上げ蘭を見上げるクマー

忍が真の名を名乗るのは死ぬ時だという

クマは両手を見つめた−−幻覚−−両手の血は消えていた
「クマちゃんの素顔、思ってた通り・・・優しい顔・・・・」





抱きしめた