クマー死す！上

足利家萩原隊与力として任命された世画
産物商襲撃の主犯として座敷牢に監禁されている、本来であれば打ち首
おそらくは子荻とうきねの尽力
牢−−−思い出すのは妖魔陣。
左京と共に捕らわれた
永遠に続くかと思われた、桃菜と隠れ里の結界の効果で死ななかった−−−死ねなかった。

座敷牢、出ようと思えば簡単に出られたがそうもいかない
寝転がる、格子の隙間から覗く空−−−雲が動いていた。

子荻がやってきた
「どうですか？居心地は」メシが差し出される
「遊郭の布団の上に比べたらどこも居心地は悪い、いつ出られる？」
「良い知らせと悪い知らせが」複雑な表情の子荻
「なんだ？」
「明日ここを出られます、出たらすぐにでも任務を」こちらは吉報
「随分早いな、それで悪いほうは？」
「忍たちに動きが、、抜け忍クマキチを抹殺せよ・・・・と」
めずらしく不安な顔の子荻
「天神山世画、あなたの任務は月影クマキチ及び姉小路蘭の救出」
不安気な顔が厳しい顔に変化する
「その際、身元を知られてはなりません、忍にあなたの正体が看破されれば更にあなたの立場は悪化します」
表情は厳しいまま
「クマキチに向けられた追手は・・」子荻は言いかけて止め、こちらに目で合図する
背後の気配に向かい苦無を一閃
クナイは子荻の背後の長屋の壁に突き刺さった
長屋の屋根を移動するくの一が見えた
「見えましたか？」小声の子荻
「ああ、奴か、、、手強いな、どうする？聞かれちまったぜ」
「すぐにここを出て！クマを」