産物商襲撃 第一話クマ

僕たちは右京にある屋敷「やんちゃな子猫」に集結していた
山城の知行地の鉱山で豊富に真砂砂鉄が発見されたらしい、このことはまだ一般には知れ渡っておらず、一部の官職をもった者のみが知る情報だ
情報の出所は萩原子荻、足利家の侍
彼女から情報を引き出したのが僕、苦労はしたが長年諜報活動に従事してきたから容易かった
彼女は酒に弱かった。
そして今回の計画を持ち出してきたのは、最近推挙によって足利家に移籍してきた鍛冶屋
奥の三尊像の前で、同じく推挙によってやってきた僧と酒を酌み交わしている
その計画とは、
知行地からの真砂砂鉄が産物商に納入されたところを狙って襲撃
すべてを奪うとの事
当日の警護は僕の恋仲の侍
僕の役目は彼女を警備からはずれるよう誘い出す事
他愛ない
そして、そこへ忍び込むのが隣の乱交部屋でたったまま眠っている赤い暗殺忍者
忍が名を名乗る時は死ぬ時だといっていた彼だが
仮に「トシコ」と名乗っておくといっていた
音も無く警備を殺すだろう
数人の警備を殺し侵入した後は鍛冶屋が鍵を開け蔵の中で待機
保管された真砂砂鉄をいただき、そして
一通り値のはる産物をいただいたあとは、
隣の乱交部屋で楽しんでいる赤い陰陽師の術で脱出
ブツはドブ庵に運ばれるらしい
「以上が今回の計画よ」
説明を終えたのは屋敷の主の陰陽師
険しい表情が時として無邪気な笑顔に変化する彼女
「・・・・いつかおとしてやる」
僕は呪うようにつぶやいた

<つづく>