京へ

雪の春日山、茶室に僧が二人

天目茶碗に慣れた手つきで茶をたてる左京
茶を取る僧
「・・・・見事」
立ち上がり外を見る僧




春日山二丁目鍛冶屋の屋敷
雪ふりしきる中、五右衛門風呂にて身を清め
身に纏うは白装束にふんどし一丁
手にしたのは自慢の小刀
向かう先は二人の僧の下
覚悟を決めた鍛冶屋が一人
いざ茶室へと入らん


対峙する三人の男
懐から小刀を取り出す左京と世画
「此度の足利家との我等への推挙・・・」
跪き右手を畳に、左手に持った小刀を振り上げる二人
「匠の、茶人の、心をここに!」
小刀を振り下ろす匠と茶人
切先が指にかかったその刹那

「喝!」

わずかに切れた四指からこぼれた血を畳が吸い取る
硬直した僧と鍛冶屋から小刀を奪う僧
「見事な茶器、小刀也」
「貴様等の生きた証、その血と共に受け取った、京へ行って銘を残せ!」

「・・・・御意」



「へぎそばは食えなくなるな・・・」
「・・・・おまえも美味い酒は飲めなくなる」

「ヌラッシュ」「ウケテミヨ」